3月27日
16:00～17:30

野澤 竜介
公益財団法人がん研究会がん研究所実験病理部 研究員

染色体分配を保証するキナーゼ反応場

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細胞分裂における染色体分配は、母細胞から娘細胞への遺伝情報伝達に必須な細胞の基本機能である。染色体分配の要は、微小管と動原体との正確な結合であり、分裂期にセントロメアに集合するAurora Bキナーゼによって制御されている。本セミナーでは、近年のクロマチン研究の動向を紹介しながら、いかにAurora Bの機能が制御されているのか、Aurora Bがセントロメアに「集合する」という動態にスポットをあてて議論したい。

野澤 竜介 
公益財団法人がん研究会がん研究所実験病理部 研究員

2007年に北海道大学理学部卒業。北海道大学大学院生命科学院にて小布施力史先生のもとで、転写不活性なクロマチン領域であるヘテロクロマチンの維持と制御について研究し、2011年に博士号を取得。2013年より日本学術振興会海外特別研究員として英国スコットランドのエディンバラ大学に渡り、Nick Gilbert先生のもとで、転写活性なユークロマチンの形成メカニズムについて研究した。2019年から現在に至るまで、日本学術振興会卓越研究員として、公益財団法人がん研究会がん研究所実験病理部にて、広田亨先生のもとで、染色体動態の制御メカニズムについての研究に従事。染色体分配の進行に必須なAurora Bキナーゼが正しく働くには、その周囲にどのような「場」が作り出されることが必要であるのか解明することを目指している。