5月12日
17:00～18:30

大澤 毅 
東京大学 先端科学技術研究センター
ニュートリオミクス・腫瘍学分野 特任准教授（独立PI）

ニュートリオミクスから迫るオルガネラダイナミクス

---

招待コメンテーター

田村 康 教授
山形大学 理学部理学科

平林 祐介 准教授
東京大学 工学系研究科 化学生命工学専攻

近年、がんや生活習慣病の研究領域では、解糖系、脂肪分解系、１炭素代謝系、酢酸代謝系に加えて、アミノ酸代謝が注目されている。ロイシン、イソロイシン、バリンなど分岐鎖アミノ酸には、mTOR複合体を介したアミノ酸感知・適応機構が存在することが知られている。一方、我々はグルタミンやセリンなど非必須アミノ酸で、mTOR複合体非依存的な新しいアミノ酸感知機構が存在する可能性を見出している。本講演では、最近の我々が研究しているニュートリオミクスから迫るオルガネラダイナミクスの視点から、がん悪性化機構に寄与する代謝機構について最新の知見を議論したい。

大澤 毅 
東京大学 先端科学技術研究センター
ニュートリオミクス・腫瘍学分野 特任准教授（独立PI）

２００１年英国ロンドン大学生化学部卒業。２００５年英国ロンドン大学博士課程腫瘍学専攻（ロンドン大学２０１０年博士（腫瘍学）取得）。大学院時代に２００１年ノーベル医学・生理学賞のTim Hunt博士に研究の面白さをご指導いただきがん研究をライフワークにすることを決意した。帰国後、東京大学医科学研究所・澁谷正史教授研究室で研究者としての、腫瘍生物学実験、血管生物学のイロハをご指導頂いた。その後、東京医科歯科大学（澁谷研究室）特任助教を経て、２０１１年から東京大学先端科学技術研究センター児玉龍彦教授研究室で特任助教として多階層オミクスの統合解析を用いたデータ駆動型の癌研究を行った。２０１８年から独立してニュートリオミクスから迫る癌悪性化機構の解明に関する研究を行っている。